ぶんかてきなせいかつ

Hey!Say!JUMPの中島裕翔くんが好きです。映画とか本とかの感想など。文化的な生活を送れるにんげんになりたい

「セッション」感想

www.amazon.co.jp

プライムビデオで見ました
去年「ちはやふる」という漫画と「アマデウス」という映画を見たときに、天才とか才能とかの話が出てくる映画見たいなーと思ってて、そんなときにこの映画のあらすじだけを知っていつか見よう…とリストに入れてた映画でした
で、完全に忘れてたんですが、この前知り合いに面白いよ〜とオススメされて、そういえばリスト入れてたな!!と思い出したので見ました

鬼教官VS青年の意地の張り合い!!って感じの映画でした
とにかくアツい! 教師は熱血指導がいきすぎて現代ではパワハラやんけ…って感じで、ドラマー候補3人に400を叩かせるシーンでドラムの一部をぶん投げ始めたときには(この映画ヤベエ…)って思った。私なら絶対無理。そして付き合わされてる他のパートの人たちもかわいそう…

終盤のシーンでこのいきすぎた指導は才能を伸ばすために必要だったんだ的な話が出てくるんですが…塩梅が難しいよな、と思いました
私も仕事でちょこちょこ後輩の指導をする機会があるっちゃありますが、イマイチだな…と思いながらも空気を悪くしないために「いいね!」って言ったりして、果たしてこれでよかったんだろうか…?と思う時もあるし
上司も褒めて伸ばすタイプと叩いて伸ばすタイプがいて、私は褒めて伸ばすタイプに当たったのでのびのび育ってきたけど、叩いて伸ばすタイプの上司にあたって上手くハマってめちゃくちゃ伸びた人もいればそうじゃない人もいて、人を育てるのって難しいなあと思ったり
ただ、この映画を見て教育方針とはこういうものなのだ、とは思って欲しくないかもなあ
私は褒められて伸びるタイプ(だと思ってる)で、「GOD JOB!」されるともっと頑張ろう!!さらにいいやり方を見つけよう!!って張り切るので必ずしも「GOD JOB」は悪い言葉ではないと思う
多分こういう相手にプレッシャーを与えて伸ばす思想は現代では「時代遅れ」であり、若い人ほど共感を呼びにくいんじゃないかなあと思いました
これが2015年の映画だから、けっこう挑戦的な感じだったのでは

でもこの教官を完全な「悪」としてどうしても見れないのは、主人公も主人公で狂気じみてるからかなと
手が血だらけになってもドラムを叩き続けるシーンですでにうわ…となってたけど、中盤、車にはねられても舞台に上がって演奏しようとしてるシーンで(こいつもこいつでやべえな…)ってなりました
学院の代表として出てる大事なコンサートなのに自分のことしか考えられなくて、そこでいい演奏ができるならともかく結局演奏も台無しになって挙句逆ギレですからね…
ラスト、演奏を通じて主人公と教師が分かり合えたような感じになりますが、この教師にしてこの生徒ありだな…って感じでどっちもどっち!お似合いだよ!!って思いました

内容に関してはいろいろ思うところはあるけど、作品の勢いや熱量はすごかった
音楽の力もあったと思うし、役者さんの演技もすごかったし
あとハイコントラスト厨なので全体的にコントラスト高くて色味の強い画に圧倒されてた
淡くてしっとりした作品も好きだけど、この鮮やかさと作品のアツさがいい感じにお互いを補強しあって?た!!
音も我が家のモニターのスピーカーから出させてるのが申し訳ないくらい…映画館で見たかったなーと思わせる作品でした

ラストがちょっと個人的に惜しいな〜〜と思った。私はそのもうちょっと先まで見たかった…!!
結局私がこの作品に求めてたものって、あらすじにも書いてあった「才能」VS「狂気」の部分だったんですけど、その「才能」部分が弱かった気がして
作中では主人公の「才能」については言及されなかったし、演奏の良し悪しなんてあんまりよくわかんないし…
だから主人公が才能ある人間だとわかる何かがあれば、もうちょっと納得して見られたのかもなあと思ったり。あまりカタルシスを感じなかったというか
でもそれは多分、私が求めていたものとこの作品が伝えたかったことが違うというだけだろうな
私はどうしてもああいう場面になると周りの他の楽団の人はどう思ってるのかとか観客はどういう気持ちで見てるんだろうとかそっち視点で見ちゃうからなんかこう…難しいな!!

いい映画ではあったけど共感はできなかったなーという感じでした
でもそういう賛否分かれる映画っていい映画だと思う。なんか色々考えさせられた